2009年05月10日|産地レポート(天津)
現地レポート2009年 河北省唐山市大新庄地区 白菜
天津、唐山地区では5月3日から、この時期としては珍しい30℃を超える高温が続いています。今回のレポートでは5月9日に収穫が開始された唐山地区の白菜栽培の様子についてお伝えさせていただきます。
今期こちらの唐山地区では2月7日から11日にかけて加温ハウスに播種を行いました。
低温条件下に遭遇すると抽苔しやすくなってしまうため12℃以下にならないように注意し、一ヶ月間の育苗を行った後3月10日から14日にかけて定植を行い、その後現在まで順調に生育しています。
今期第1回目の収穫が5月9日から開始され始め、栽培地の唐山から天津の工場に続々と入荷しています。
順調な生育をしている白菜ですが一部に生理障害の発生も見られましたので、今回は白菜で発生しやすい生理障害について説明させていただきたいと思います。
虫害もなく白菜の結球状態も良いものですが、切ってみると写真のように白菜芯の部分が茶色く変色して、腐敗したような状態に見られる事があります。これは「芯腐れ症」と言い栄養素のカルシウムやホウ素の欠乏で成長点の生育が阻害された時に発生する症状です。
畑の窒素が過剰になると、カルシウム吸収が阻害されてカルシウム不足になる事があり、このような生理障害が発生してしまいます。結球期に入ったら窒素を抑え事前にカルシウム、ホウ砂の葉面散布や潅注を行い、欠乏を起さないようにします。
それと同時に地温の上昇、土壌湿度を保つことを目的としたビニールマルチを畦に掛けることも吸収の促進に効果があります。
上記の症状が白菜の栽培で見られやすいため、事前の対策を取り発生を防ぐようにします。