2007年04月23日|産地レポート(その他)
現地レポート 2007年 浙江省龍遊地区 青首大根
弊社では、年間を通し大根の栽培をしていますが、春と秋は大根の栽培に適した産地へ交代の時期になります。青首大根栽培は、大きく分けて夏は内モンゴルの豊寧地区、冬は南方の厦門地区で大規模栽培を行い、春と秋は中規模に3つの産地で栽培を行っています。
今回の現地レポートでは、春と秋の栽培地、龍遊地区を初めてご紹介します。
龍遊地区は浙江省の西部に位置し、上海市と隣接しているため上海から車で5時間程と近い場所です。年間を通して温暖な気候で梅雨もあり、龍遊は日本の本州の気候と似ています。
今期龍遊地区では、2月から播種を開始しました。温暖な気候でも冬期は最低気温が1.9℃と寒いため2月中に行われる播種では、トンネルマルチ栽培を行ないました。
今回は、トンネルマルチ栽培でのマルチ掛けから播種、発芽までをご紹介致します。
1.通常のマルチ栽培と同じように耕耘、畝立をし、その後ビニールマルチで畝を覆います。トンネルマルチ栽培では、播種後約30日間そのままの状態を保ち温度と水分を保ちます。
ビニールをかける為、水分が不足した場合に水を撒く事が困難になりますのでビニールマルチを畝に掛ける前に、十分に潅水を行いました。
灌水を怠ると土壌水分が不足して、発芽阻害や生育不良の原因になってしまいます。
2.ビニールマルチで覆った後、播種を行うための穴を写真の様に開けます。
播種間隔を23〜24cm程に設定し、栽植密度が高すぎないように注意します。
3.その後播種を行います。
播種時の注意する点は、あまり播種位置が深すぎると発芽まで時間がかかってしまうので、地表面から1cm程になるように播種位置を定めます。
4.その後ビニールのトンネルを被せるための支柱を立てます。
支柱を立てる間隔は、広すぎるとビニールが弛むので、適正な間隔になるように立てるようにします。
5.最後にトンネルマルチを掛け両端を土で抑えれば完成となります。
これらのトンネルマルチ栽培では、播種を行ってから30日くらいはそのままにしておきます。例外的に、外気温が28℃以上になった場合には、トンネルマルチ内の温度も高くなり苗が焼けてしまう可能性があるため、トンネルマルチを開けるようにします。
播種から4日〜7日程で発芽が確認されました。今期は、若干生育が遅れているところも見られていますが、大部分は生育に問題は見られておらず、順調な発芽状況になっています。
次回は、他産地の崇明島の栽培状況をお届けさせていただきたいと思います。