産地レポート

2007年03月05日産地レポート(上海)

現地レポート2007年 崇明島 茄子

前回1月中旬のレポートでは、台木茄子の育苗についてレポートさせていただきました。
今回は、接ぎ木の様子をお伝えしたいと思います。

接ぎ木は、
(1)病害の防止
青枯れ病・半身萎凋病・半枯れ病・土壌線虫等の土壌病虫害の回避。
(2)耐暑性の向上
高温期の耐暑性
(3)耐湿性の向上
梅雨期・雨期の湿害の軽減
を目的としておこないます。
003.jpg
我が社では、台木茄子として「トルバムビガー」という品種を使用しています。この茄子は、野生の茄子で南方で採種されます。そのため、高温に強い性質も持っている他、左写真のようなネコブセンチュウに対しても抵抗性があります。

ネコブセンチュウは、根の成長点付近から根に侵入し、コブを作ります。これにより、作物の生育が阻害され、程度がひどくなると枯れてしまいます。

接ぎ木を行う時期は、
(1)穂木の本葉が4枚程
(2)茎の太さが3〜4m程
の条件が目安となります。
また、台木の方が穂木よりも太いことも条件となります。
接ぎ木は以下のような手順で行っています。
th_001.jpg

1.台木を本葉2〜3枚目のところで切断し、縦に1.5cm切り下げます。
2.穂木は本葉を3枚残して切断し、先をくさび状に削ります。
3.台木と穂木の形成層がよく合うようにしながら、台木の割れ目に穂を挟み込み、
4.最後に接木クリップで固定します。
左写真は、接ぎ木を行った直後の様子です。

th_002.jpg
接ぎ木を行ってすぐは穂木の葉が萎れていますが、1週間ほどで穂木と台木が完全に結合します(左写真)。
接ぎ木後は遮光したところで育苗し、湿度を高く保ち、適温を維持します。接いだ穂木と台木は1週間ほどで結合するもののすぐに定植を行うと枯れてしまうため、徐々に慣らしていき定植は接ぎ木を行ってから約2週間後に行います。

崇明島では、これらの接ぎ木が終わった茄子の定植を3月上旬から行う予定です。
次回崇明島からのレポートでは茄子の定植状況をお伝えしたいと思います。

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